川月喜弘先生 最終講義が開催されました

2 月 18 日、工学研究科応用化学専攻教授 川月喜弘先生の最終講義が姫路工学キャンパス A 棟 1 階 102 室で開催されました。川月先生は、1994 年 10 月に姫路工業大学工学部 応用化学科に助手として着任され、30 年間本学の教員として研究と教育にご尽力を尽くされています。最終講義のタイトルは「私の研究のルーツ」。ご指導とアドバイスを頂いたたくさんの教員と学生が出席しました。


1984 年に京都大学工学研究科合成化学専攻修士課程を修了され、株式会社クラレに入社されています。学生時代は、光エネルギー貯蔵を目指した有機材料の合成、クラレではプラスチックを素材とした光学素子の研究をされました。1990 年にカリフォルニア大学サンタバーバラ校で 2 年間の研究派遣を経験され、シュミット先生と出会い、非線形光学材料の研究をされています。1994 年に京都大学で博士号を取得され、本学に着任されました。「液晶+光反応+偏光」はこれからの主流になると確信され、側鎖に桂皮酸エステルを組み込んだ高分子液晶研究をスタートされました。
液晶分子デザインを何度も再検討され、偏光照射で生じる僅かな異方性を熱的に配向増幅させる二段階法を見つけることで先生の光分子配向技術は達成されました。研究熱心な学生の方々に支えられ、また N-ベンジリデンアニリンを利用した配向法の発見により技術はさらに進化し「光分子配向可能な高分子液晶研究」はライフワークとして確立されます。先生はこの分野において大きな貢献をされており、365 報の発表論文や、50 報におよぶ総説や著書など、際立った活躍をされています。多忙な研究生活の中、2015 年からは 4 年間、工学研究科兼工学部長を務められ、大学運営と若手研究者育成に奮闘されています。
先生は、研究者にとって「多くの人との出会い」が大切であり、「気が付くことがあれば必ずメモっておく」「研究結果は手早く英語論文にまとめること」と若手を激励され、講義を終えられました。

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