緊急走行を体験できるVR運転シミュレータの実証実験を開始

姫路市消防局と兵庫県立大学は、緊急走行の事故防止教育を目的として、姫路市消防局職員を対象とした、緊急走行が体験できるVR運転シミュレータの実証実験を行います。令和7年1月20日から23日まで、姫路西消防署に緊急走行が体験できるVR運転シミュレータを設置し、VR 内での緊急走行時の運転行動を記録・分析することで、若手職員とベテラン職員の経験の違いによる運転行動の違いなどを明らかにすることを目指します。

兵庫県立大学大学院工学研究科では、令和5年度より姫路市消防局の協力を得て、緊急走行中に発生する様々な状況を再現できるVR運転シミュレータの開発を進めてきました。このシミュレータを利用したこれまでの研究では、消防局職員と一般人の緊急走行中の運転行動を記録・比較し、赤信号下での交差点進入時の減速・左右確認などに顕著な違いが見られることを明らかにしました。

本実証実験では、消防局職員の中でのスキルの差に着目し、若手職員とベテラン職員の運転行動を比較し、経験に基づく判断・操作の違いを分析します。得られたデータをもとに、経験に基づく運転スキルの特徴を定量化し、安全教育や運転リスク低減のための新たな教育手法の開発を目指します。

全国の消防本部にとって、消防車や救急車の緊急走行時の交通事故防止は永遠の課題です。しかし、熟練者の減少や出動件数の増加などの影響もあり、緊急車両による交通事故は断続的に発生しています。これらの事故は、救急搬送中の傷病者の容態悪化や消防機関への信用失墜など社会的影響は大きく、その防止が急務です。しかし、緊急走行は実地での予行演習が難しいため、従来の事故防止対策には限界がありました。今回の取り組みでは、VR技術を活用して緊急走行時の危険予測や事故等の疑似体験を可能とすることで、緊急走行の事故対策について抜本的な改革を目指すもので、緊急走行の事故0を目指す「全国初」の取り組みといえます。

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兵庫県立大学は、経済学部・経営学部・工学部・理学部・環境人間学部・看護学部の6学部と14の大学院研究科、あわせて9つのキャンパスがある公立大学です。夢と可能性に挑…

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